天竜人経済だえ
「そのとき「お金」で歴史が動いた」が一冊目。
2冊目に手に取ったのは「父が娘に語る経済の話」。
この2冊で「金本位制度」や「インフレ・デフレ」「中央銀行の役割」のイメージができてきた。
イメージができてきたということは、とうとう経済の導入をかじったのだ。
私、理系ですから…
と後回しにしてきた経済はおもしろすぎた。
以前、この2冊かどうかは忘れたけれども経済学は虚構だ。
という痛烈な一文を目にしたことがある。
これは初心者を学びから遠ざける最大の言葉であることを学んだ。
「虚構なら最初から知らなくてよくない?」
と思ってしまう。
物理を高校生に教えているときに心がけていることがある。
「これはあくまで、架空のシチュエーションだから実際、使えないんだけど…」とは決して言わないことだ。
生徒がこう思うからだ。
「使えないなら、意味なくない?(おちょぼ)」
脱線したが「経済が虚構なら、どういう風に虚構なのか調べてやろうじゃないの」という少年漫画に毒された脳が語りだした。この経緯により、おもしろそうな本から読んでみた。初学は薄い参考書から!と普段、延髄で高校生に話しているので、自分もその指針で経済を学んでいこうえ。(天竜人)
そして3冊目に手に取ったのは
山形浩生さんの「経済のトリセツ」
文章がとげとげしいな。キャッチーだな。本らしくないな。と思っていたら、ブログの抜粋だった。めちゃくちゃおもしろい文章だから、あとでおばあちゃんにでも読ませたいと思う。私みたいな初学者をずいぶんとコケにしてくれたなと思ったが、わかりやすさは1級品。糖度500。
その中で「格差ってそんなに問題なのか?」に触れていた。
産業革命以前の世界は、一部の富めるものが労働をせずとも、莫大な資産を相続して暮らせる「富めるものは、ますます富む」構造だった。生まれた瞬間勝ち構造だ。しかしその格差は、産業革命や大きな戦争により解消する方向に向かった。天竜人よさらば。の展開であったが現在は再び、格差拡大方向へ進んでしまっている。「資産収益率より経済成長率が低い」というものを根拠に、資産が潤沢な人にはますますお金が集まるよねという何とも世知辛い()方向に向かっている。天竜人の復活だ。
But「下の人もちゃんと生活できていたら、格差って問題か?」という問が読者に投げかけられたと思う。「うっ、たしかに。衣食住OK。低価格サービス充実。」これが保証されていたら、天竜人がジャンクフードを食べずにオーガニックオンリーだったとしてもそこまで疎まないか。自分が冷たいライスを食べているのに、天竜人がオーガニックにこだわっているから腹が立つのか。そんな問答をしている。